2020年1月26日日曜日

Tower of Time 日本語化支援ツールの使い方

Tower of Time は、独特なリアルタイム バトルを採用した戦略RPGで、戦闘時には複数の味方に指示を与えながら進めていくタイプのゲームです。



日本語表示のサンプル

難易度選択

NPCとの会話

キャラクター画面

スキル画面

戦闘画面(一時停止中)

このツールには次の機能があります。
  • バックアップ
  • アンパック
  • 翻訳シートの作成
  • 日本語化MOD作成
  • リパック
興味のある方は翻訳にチャレンジしてみてください。


日本語化MOD作成手順


この説明では、ゲームがインストールされているフォルダーを「ゲームフォルダー」と表記しています。


1.準備


1.1. ツールのダウンロード


Tower of Time の日本語化を支援するツールを次のリンクから最新版をダウンロードします。。
「Releases · synctam/TotJpModAid」
https://github.com/synctam/TotJpModAid/releases
この例では、"TotJpModAid_v1.0.0.zip" をダウンロードしました。
ダウンロードしたファイルをデスクトップに解凍します。

解凍後のフォルダー構成:
TotJpModAid_v1.0.0 --- バージョン番号は変更されることがあります。
  └─TotJpModAid
      │  10.backup.bat ---------- バックアップ取得用バッチファイル
      │  20.unpack.bat ---------- アンパック用バッチファイル
      │  30.TotSheetMaker.bat --- 翻訳シート作成用バッチファイル
      │  31.TotModMaker.bat ----- 日本語化MOD作成用バッチファイル
      │  40.repack.bat ---------- リパック用バッチファイル
      ├─csv
      │  FileList(1.4.3.11844).csv -------------- ファイル一覧
      │  Tower_of_Time_TransSheet(sample).csv --- サンプル翻訳シート
      ├─org
      │  ├─assets
      │  └─Unity_Assets_Files
      │      └─resources
      └─tools


 1.2. ゲームフォルダーの確認


ゲームフォルダーの場所を確認し、フォルダー名をメモしておきます。

  • Steam の場合
    Steam で Tower of Time のプロパティを開き、「ローカルファイル」タブ の 「ローカルファイルを閲覧...」 ボタンを押します。これで、エクスプローラーが開きます。
  • GOG Galaxy の場合
    GOG Galaxy の場合は、Tower of Time を選択し、[その他] - [インストール管理] - [フォルダを参照] でエクスプローラーが開きます。

見つからない場合は、エクスプローラーで "TowerOfTime.exe" を探すのが良いかもしれません。


1.3.ツールの移動


デスクトップに解凍したフォルダーにある TotJpModAidフォルダーをゲームフォルダーに移動します。

移動後のゲームフォルダーの構成:

デスクトップに残っている、"TotJpModAid_v1.0.0"フォルダーは不要ですので削除してください(バージョン番号は変更されることがあります)。


1.4.バックアップ


以下の手順でオリジナルのデータをバックアップします。
TotJpModフォルダーにある、"10.backup.bat" をダブルクリックして実行します。
backup [Y,N]? と聞いてきますので、Y を入力します(注意事項:Enterは不要です)

このように何もエラーが表示されなければ、バックアップは終了です。
これは最初に一度だけ実行する作業です。

参考:バックアップは "TotJpModAid\org\assets" フォルダーに作成されます。バックアップ対象ファイルは "resources.assets" です。


1.5.unpack


バッチファイル "20.unpack.bat" をダブルクリックし実行します。
unpack resources [Y,N]? と聞いてきますので、Y を入力します(注意事項:Enterは不要です)
このように何もエラーが表示されなければ、バックアップは終了です。
これは最初に一度だけ実行する作業です。

参考:unpackされたファイルは、"TotJpModAid\org\Unity_Assets_Files" に格納されます。ここには日本語化対象のテキストファイルなどが入っています。


2.日本語化の手順


2.1.翻訳シートの作成


バッチファイル "30.TotSheetMaker.bat" をダブルクリックし実行します。
このように何もエラーが表示されなければ、バックアップは終了です。
これは最初に一度だけ実行する作業です。

これで、"TotJpModAid\csv" フォルダーに、"TotTransSheet_yyyy.mm.dd_hh.mm.ss.csv" というファイル名でCSVファイルが作成されます。

【注意事項】
ここで作成されたCSVファイル("TotTransSheet_yyyy.mm.dd_hh.mm.ss.csv")は、次回ゲームがアップデートされた時に変更箇所を調べるために必要です。大切に保管しておいてください。


2.2.翻訳の準備


前項で作成したCSVファイルの複製を作成し、ファイル名を "TotTransSheet.csv" にしてください。このCSV形式の翻訳シートを、Googleスプレッドシートにアップロードし翻訳の準備を行います。以下にアップロードの手順を示します。

LibreOfficeのcalcで "TotTransSheet.csv" を開き、「テキストのインポート」画面で、[[*English*]]列を選択し、列の種類を「テキスト」に設定し、OKボタンを押します。

次に、メニューの [ファイル] - [名前を付けて保存…] で、ファイルの種類を「ODF 表計算ドキュメント(*.ods)」を指定し、保存します。今回の例では、"TotTransSheet.ods" で保存します。

次に、ブラウザー(Chrome推奨)で Googleドライブを開き、翻訳用のフォルダーを作成します。今回は、フォルダー名を「Tower of Time 日本語化」としました。

次に、今作成した「Tower of Time 日本語化」フォルダーに、先程保存した "TotTransSheet.ods" をドラッグ&ドロップします。

次に、今ドラッグ&ドロップしたファイルを右クリックし、Googleスプレッドシート形式に変換します。

これで、"TotTransSheet" が作成されました。後は、これを開いて翻訳を行います。なお、"TotTransSheet.ods" は不要ですので、削除して構いません。

次に、"TotTransSheet" を開き、翻訳を楽にするために、[[*MT*]](I列)にGoogle翻訳の計算式を入れます。

 例えば、I2のセルに次の計算式を入れます。

    =GOOGLETRANSLATE(G2)

これで、G2の文章が翻訳されI2に格納されます。同様に、[[*MT*]](I列)のすべての行に計算式を入れておくと便利です。

参考:
Q: CSVファイルをそのままアップすれば良いんじゃないの?
A: データの誤変換を防止するために、この手順でアップしました。このゲームのデータには、イコール"="のみのデータが含まれています。このデータを普通にアップすると計算式と誤認識されエラーとなり、正しく表示されなくなってしまいます。


2.3.翻訳


[[*Japanese*]](H列)に翻訳したテキストを入力します。


2.4.翻訳シートのダウンロード


GoogleスプレッドシートからCSV形式で翻訳シートをダウンロードします。 "TotTransSheet" のメニューの [ファイル] - [ダウンロード] - [カンマ区切りの値(csv、現在のシート)] で "csv" フォルダーにファイル名 "TotTransSheet - TotTransSheet.csv" でダウンロードします。

【参考】
「お~るげーむず(仮)」さんが公開しているツール「GSS_Downloader」を使用すると翻訳シートをワンクリックでダウンロードできるようになります。興味のある方は次の記事を御覧ください。
「[Tools] GSS_Downloader(更新2) | お~るげーむず(仮)」
https://agk.saloon.jp/game/overseasgame/jp-localize/tools-gss_downloader


2.5.日本語化MODの作成


バッチファイル "31.TotModMaker.bat" をダブルクリックし、実行します。
エラーが表示されていなければ、"TowerOfTime_Data\Unity_Assets_Files\resources" フォルダーに日本語化MODが作成されます。


2.6.repack


バッチファイル "40.repack.bat" をダブルクリックし、実行します。
Re-Pack resource [Y,N]? と聞いてきますので、Y を入力します(注意事項:Enterは不要です)
エラーが表示されていなければ、日本語化MODの作成は完了です。


2.7.日本語表示の確認


ゲームを起動し日本語が表示されることを確認してください。日本語が表示されていれば日本語化は成功です。あとは、「2.3.翻訳」、「2.4.翻訳シートのダウンロード」、「2.5.日本語化MODの作成」、「2.6.repack」を繰り返し、翻訳を進めます。


3.英語版への戻し方


  • Steam の場合
    Steam で Tower of Time のプロパティを開き、「ローカルファイル」タブ の「ゲームファイルの整合性を確認...」ボタンを押します。
  • GOG Galaxy の場合
    GOG Galaxy で Tower of Time を選択し、[その他] - [インストール管理] - [フォルダーを表示] を押します。


4.ゲームアップデート時の対応


ゲームがアップデートされた場合は、次の手順で対応します。
  1. ファイルの更新日の確認
    "ゲームフォルダー\TowerOfTime_Data\resources.assets"の更新日を確認し、更新されていない場合は、作業は不要です。更新されていた場合は次の手順に進みます。
  2. 翻訳シートの再作成
    項番1.4「バックアップ」~ 2.1「翻訳シートの作成」までを実行します。
  3. 変更の確認
    前回作成した翻訳シートと今回作成した翻訳シートを比較します。変更があった場合は、Googleスプレッドシートを修正します。

【参考】
翻訳シートの比較には、フリーソフトの WinMerge が便利です。
「WinMerge - You will see the difference…」
https://winmerge.org/?lang=ja


5.免責


日本語化支援ツール(TotJpModAid)、バッチファイル、データおよびこの手順を使用した事によるいかなる損害も作者は一切の責任を負いません。


6.連絡先


synctam@gmail.com


7.ライセンス


7.1. TotJpModAid、各種バッチファイル


MIT ライセンスで公開します。
Tower of Time 日本語化支援ツール のプログラムソースは次のリンクからダウンロードできます。
「synctam/TotJpModAid: Tower of Time 日本語化支援ツール」
https://github.com/synctam/TotJpModAid


8.使用ライブラリー



8.1. CsvHelper


(Microsoft Public License (MS-PL), Apache License, Version 2.0)

「JoshClose/CsvHelper: Library to help reading and writing CSV files」
https://github.com/JoshClose/CsvHelper


8.2. Mono.Options


(The MIT License (MIT))

「XamarinComponents/XPlat/Mono.Options at master · xamarin/XamarinComponents」
https://github.com/xamarin/XamarinComponents/tree/master/XPlat/Mono.Options


9.変更履歴


2020.01.26 新規公開



■参考資料
「ホーム | LibreOffice - オフィススイートのルネサンス」
https://ja.libreoffice.org/

「[Tools] GSS_Downloader(更新2) | お~るげーむず(仮)」
https://agk.saloon.jp/game/overseasgame/jp-localize/tools-gss_downloader

「JoshClose/CsvHelper: Library to help reading and writing CSV files」
https://github.com/JoshClose/CsvHelper

「XamarinComponents/XPlat/Mono.Options at master · xamarin/XamarinComponents」
https://github.com/xamarin/XamarinComponents/tree/master/XPlat/Mono.Options



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